CRANE-X7用ハンド開発(四節リンク編)part1


こんにちは岩本です。

今回は、CRANE-X7の付替えハンドの開発を行っていきます。
上記リンクから見ていただければ分かると思いますが、CRANE-X7は人の腕に近い柔軟な動作ができるロボットハンドです。
関節が多いため、障害物を避けて様々な角度から物を掴むことができます。しかしながら、現状CRANE-X7のハンドは1種類であり、掴むものによっては掴むことが出来ない事があります。
そのため、対象物に対して最適な交換用のハンドを開発していきたいと思います。
ちなみに、CRANE-X7のデータはGitHubに公開されておりますので、こちらのデータを参考に交換用ハンドの開発をしていきます。

最初のロボットハンドの開発として、人間のように関節のあるロボットハンドを開発していきたいと思います。
人間の手のように関節のあるロボットを作る際、大雑把に2通りの方法が思いつくと思います。
1つ目は、全ての関節にモーターを取付けること、2つ目は、リンク機構を用いて関節を表現する方法が考えられます。
全ての関節にモーターを用いると、1つの指に対して、最低でも3個のモーターが必要になってきますが、細かな制御ができます。
対して、リンク機構を用いるとモーターが最低1つでも動かすことが出来ますが、関節一つだけを動かす等といった事が難しくなります。
どちらもメリットデメリットはありますが、今回は、CRANE-X7の元々付いているモーターが1つという事もありますので、リンク機構を用いて1つのモーターで関節を作っていきたいと思います。

 

最初にリンク機構のおさらいですが、複数のリンクからなる機構で、1つのリンクを動かすことで他のリンクも動かせる機構の事を指します。下図の例のように4つのリンクからなるリンク機構のことを四節リンクといいます。
この機構を組み合わせていくことで、関節を作っていきます。

簡単に四節リンクによる指の設計についてにも説明していきます。
下図のようにリンクを組む事で、人間の指のようなモデルとすることが出来ます。
分かりにくいですが、リンク(b)と(e) 及び リンク(c)と(h) は一体の部品です。
なぜ一体の部品としているかというと、単純に四節リンクを2つくっ付けただけでは自由度が高すぎるためです。
また、リンク(f)を繋げる際にわざわざリンク(e)を伸ばして回転軸をずらしているのは、第一関節が曲がるようにするためです。
動きとしては、回転軸(O)を軸として、リンク(a)を回転させた場合、そのほかのリンクも形を変えずに一緒に回ります。
これは、人間の指の動作でいう摘まむ動作に相当します。

次に回転軸(O)を軸としてリンク(b)を固定した場合、下図のように四節リンクが変形し、各関節の角度が狭まるように動きます。
これは、人間の動作でいう握る動作に相当します。

各関節の寸法は調整が必要ですが、基本的にこの構造を使用していきます。

さて、ここまで長かったですが、とりあえず、実際の物の動きを見てみたかったので、サンプルモデルを制作してみました。

開いた状態からリンク(b)に外力が与えられなかった場合、下図の用に摘まむ動作になります。

開いた状態からリンク(b)に外力が与えられた場合、下図のように握りこむ動作になります。

サンプルモデルとしては、十分に動作の確認が出来ました。
ただCRANE-X7に対して、サイズ感が少し大きく、また、握りこむ際に指同士がぶつかってしまうため、小さなものを掴もうとすると、干渉して上手く掴むことが出来ないところが課題です。